5月3日(日)に行われた「天皇賞春(G1)」について振り返りたいと思う。

レースの振り返り




1着:1枠1番ゴールドシップ(2番人気)
2着:7枠14番フェイムゲーム(7番人気)
3着:1枠2番カレンミロティック(10番人気)

という結果になった。


走破時計は3分14秒7という水準の時計。

今の京都の馬場状態であれば、特に速いということはない。

逆にレコード決着に迫れるくらいのメンバー構成だっただけに、若干ペースが落ち着いた感もある。

前半の1000mのラップは61.4秒と平均ペース。

1000m~2000mの間のラップは61.8秒とここまでは少し遅めの平均ペース。

このラップであれば、先行有利の流れと言っていいだろう。


ラストの1200mは71.5秒と多少尻上がりのラップ。

(ラスト1200mのラップライム)
12.5 - 12.0 - 11.7 - 11.8 - 11.5 - 12.0

ラスト1200mのラップの内分けを見ると10秒台のラップがある訳ではなく、淀みないラップの刻み方になっている。

極端に速いラップタイムを刻むような競馬になれば、ゴールドシップは対応が難しかったと思うけど、このラップタイムを見る限り、ゴールドシップの思い通りのラップを刻めた結果だっただろうと思う。


言い換えると、淀みないラップのレースと言うのは、強烈な差し脚を持っている馬にとっては厳しい流れだったとも見ることも出来る。

強烈な差し脚を持っている馬は、最後の直線に向くまでに脚を使わされてしまってるだけに、直線では余力が残っていない状態になってしまうから。

結果を見ても、有力どころの馬達で、ゴールドシップを意識して少し動いた馬は、直線では伸びきれずに沈んでいる。


レースを見て感じたこと


ゴールドシップはスタートこそちゃんと出たが、行き脚がつかずに道中は最後方。

キズナは後方2番手という昨年とまったく同じ位置取り。

ゴールドシップにとっては、決め手勝負になってしまうと勝ち目はない。


しかし、昨年と違うところは、ゴールドシップがラスト1200mの段階から超ロングスパートでマクリ始める。

普通では考えられないところからスパートしている。

前走の阪神大賞典(G2)でもそうだったけど、マクる競馬でも全頭マクりきるのではなく2、3番手まで位置取りを上げるというマクり。

ゴールドシップの凄いところは、位置取りを上げた後も直線に向けてのスタミナがまだ残っているところ。


まさに、スラムダンクの流川楓のダンクシュートのような2気筒エンジンが搭載された馬だ。
2段階

有力どころのキズナ(7着)、サウンズオブアース(9着)、アドマイヤデウス(15着)は、ゴールドシップがマクッている段階で多少なりとも気にして一旦脚を使わされている。


1番人気で7着だったキズナに関しては、昨年と同じようなレースをしているだけに、結果としてベストパフォーマンスが出せる距離ではなかったと言えるのではないか。

鞍上の武豊騎手も「よく分からない」と敗因が掴めていないだけに、この7着は何とも言えない負けだ。


4番人気で9着だったサウンズオブアースは少し行きたがっていたが、アドマイヤデウスが外に来た時に抑えようとしたり少し行かせてみたりとかなりチグハグな競馬をしていた。

これは鞍上の内田騎手の下手さが出たレースだったように思う。

直線ではラスト200mのところから失速していただけに、道中の折り合いが上手くいかなかった競馬をしたとしか言いようがない。

鞍上がミルコだったらと思わせるレースだっただけに、残念な結果だったように思う。


3番人気で15着だったアドマイヤデウスは、1週目のスタンド前で外に出して馬を行かせてしまったのが全てを物語っている。

岩田騎手のポリシーなのかも知れないけど、馬を無理に抑える競馬はしない感じがする。

その後も引っ掛かっていて、折り合いのつかないレースとなってしまっていた。

直線ではもう脚が残っていない状態だっただけに、まったくレースになっていなかった。

負けるべくして負けたレースだったように思えた。



逆に好走した7番人気で2着のフェイムゲームはゴールドシップが上がっていったとき、馬群の中にいたため、動くに動けず位置取りを下げる形になったけど、これが幸いにも脚を溜めれる状態になって、直線の爆発に繋がったように思える。

ただ、進路が空いていたらゴールドシップについて上がって行ったと思われるため、北村騎手の好騎乗というより運が良かった感が否めない。


10番人気で3着に粘ったカレンミロティックは番手で競馬をしていただけに、ゴールドシップのマクりの影響をあまり受けずに済んだ形で、自身の持っている力を出し切れたのではないかと思う。

前走の阪神大賞典(G2)では4着と負けていたが、直線では狭いところに入ってしまって、追えたのは最後の100mだけだった。

ちゃんと終えていたら際どい2着争いを演じられていたかも知れないと思われた。

3200mという距離が心配されていたけど、前走の阪神大賞典で大丈夫ではないかと裏付けの取れる内容だったと思う。


5番人気で4着だったラストインパクトは一貫して後方から内を突く競馬。

ここまで徹底して馬を信じて乗った川田騎手の好騎乗だったと思う。

直線では勝利の道が開いた状態になって、

「ラストインパクト来た!」

と思わせた。

馬も懸命に伸びていたけど、後1歩伸びが足りなかった。

惜しいと言えば惜しいけど、これだけスムーズに競馬ができての結果だけに1枚力が足りないと言わざるを得ない。

ただ、この距離でも良い競馬ができていただけに、G2クラスまでなら未来は明るいように思う。



そして、レース中に左前浅屈腱不全断裂で引退を余儀なくされたウインバリアシオンには、本当にお疲れさまでした、と言いたい。

二度にわたる屈腱炎を克服して、競馬を盛り上げてくれた名馬だと思う。

オルフェーヴルという怪物の脇役となってしまったけど、良いライバル関係だったように思う。

たくさんの思い出をありがとう。

そして、ゆっくり休んで欲しいと思う。




最後に、長距離戦は騎手の特性が出るレースと言われているけど、まさにそんな結果のレースだったように思う。

馬券を的中させるには、展開を事前にどれだけ想定できるか、そこに尽きると改めて痛感させられた。

たくさんのドラマがあった天皇賞春(G1)で、思い出の1ページが増えた、そんなレースになった。


皐月賞はすごいレースだった。

目に焼き付いたのはドゥラメンテの豪脚。

「こんな豪脚を使うことができたの?」

って、改めて3歳戦の難しさを感じたレースでもあった。




皐月賞を振り返ってみて


ドゥラメンテは、3戦目のセントポーリア賞(500万条件)では強烈なインパクトを残して快勝したけど、前走の共同通信杯(G3)ではリアルスティールに内を巣食われ2着に敗れてしまった。

気性的に難しい面を見せ、鞍上は石橋脩からミルコ・デムーロに乗り代わりというのは、大きな打開策であったように思う。


スタートがあんまり良くなかったということもあり、道中は後方からレースを進めていた。

レースでは道中引っ掛かる素振りもほとんどなく、しっかりと折り合いがつきながら運んでいたように思う。


4コーナーでは外に出そうとかなり強引な騎乗だったが、そんなミルコの想いをドゥラメンテは叶えてみせた。

時計の出る馬場状態でまだまだ内でも伸びる芝の状態であったけど、外から一気に2着のリアルスティールを並ぶ間もなく差し切った。

セントポーリア賞で受けたインパクトを超えるものを皐月賞で感じてしまった。

そして、ダービーもこの馬で決まりだろう、なんて瞬時に思ってしまった。


ダービーに向けての分析


強烈なインパクトを受けたけど、果たしてダービーでも確勝級なのか、ラップタイムの側面からも検証しておきたいと思う。

皐月賞のラップタイムは

前半の3Fは35.2秒。

前半の1000mは59.2秒。

という内容。

通常のレースであれば、1000m59.2秒というのは少し速めかなって感じるところだけど、時計が出る芝の状態であったため、全体の時計から判断する必要がある。

全体の走破時計は1分58秒2と非常に速い時計の決着になった。

前半の1000mが59.2秒、後半の1000mが59.0秒というラップになっている。


RPCIという概念を用いれば、皐月賞のRCPIは 53.1 と少し遅めの平均ペースだったと判断できる。


※RPCIに関しては以下の記事を参考にしてみてください。

これで万馬券に1歩近づいた! 競馬予想のペース判断指標、「RPCI」って知ってますか?


先行したリアルスティールが2着、キタサンブラックが3着。

逃げたクラリティスカイが5着という結果からもペースは速くなかったと判断していいだろうと思う。


そんな追い込みの馬には辛い展開の中、差し切ってしまった訳だから、ドゥラメンテはラップタイムの面から見ても秀逸した内容だったことが分かる。

他馬と比べてレベルが1つ上の存在に位置づけて問題なさそうだ。


後は、このラップタイムの面から、ダービーでも狙いたい馬を探しておきたい。

まず気になるところは2着のリアルスティール。

レースでは一番スムーズに進めていた感じがした。

ラスト3Fも2番目に速い34.5秒の脚を繰り出しており、ダービーがスローペースになるようなら逆転の可能性は十分にあるとみたい。

まだまだ侮れない実力馬だ。


続いては、4着のブライトエンブレム。

この馬もがんばった方ではないかと思う。

差して4着という結果だったが、ダービーが消耗戦の流れになるようであれば、この馬の良さはもっと活きてくるだろう感じた。


後は、6着のサトノクラウン。

スタートでは少し出遅れてしまい、4コーナーでは若さを露呈して膨らんでしまう。

その後、直線入り口ではドゥラメンテから不利を受けるという何ともツイてないレースになってしまった。

それでも6着に喰い込んで来て、リアルスティールと同じ上がり3F34.5秒の数字を出している。

これだけ不運が1つのレースの中で重なることもあまりないため、もしダービーで全力を出し切れるようであれば、ドゥラメンテに迫れる部分は大きいだろうと思う。


気になったところはそんなところ。


ダービーの展開次第で順位は入れ替わる?


逆にドゥラメンテの死角的な面も探っておきたい。

一番気になったのは、スタートがあまり良くなかったこと。

だから、気になるのはダービーの展開。


展開が遅めのスローペースになったとき、何かが起こるだろうと思う。

気になる点はその1点。

それだけは覚えておきたい。

位置取りが少し後ろ過ぎると、馬場の良い東京コースだと差し切れない心配がある。

それが大きな懸念材料。



後は、青葉賞とかトライアルレースで圧勝してくる馬も出てくるかも知れないし、その力関係だろう。

まだまだ怪物が眠ってる可能性もあるし、その点もしっかり検討しておかないといけないと思う。



早くもダービーが楽しみで仕方ないです。

あなたは皐月賞が終わって、どう感じました?